●皆鶴姫伝説 その一
皆鶴姫は二位大納言藤原成道と側室桂の娘で、父が亡くなった後、 母は姫を連れて一条堀川に住む鬼一法眼(きいちほうげん)の後妻となる。
義経が鞍馬寺に預けられて遮那王と名のっていた頃であり、 鬼一法眼が「六韜三略」を所持していることを知った義経は平氏打倒のためどうしても手に入れたいと思い、娘の皆鶴姫に近づいた。
そして皆鶴姫は義経に惚れてしまう。 それに気づいた義経は戸惑いながら恋仲になる。
おそらく皆鶴姫は本気で義経に惚れていたのだろう、義経に頼まれて父の鬼一法眼秘蔵である「六韜三略」を持ち出し義経に貸してあげる。 書き写すことに成功した義経だが、それらあやしい行動が平清盛に察知され、義経は奥州へ行かざるをえなくなった。
◆個人的考察◆
おそらく当時の義経は恋愛どころではなかっただろう。 打倒平氏に命をかけていたのだ。ほぼ一方的な皆鶴姫の想いであったと思う。 義経はそんなに重く感じることも無く奥州へ向かったのであろう。
●皆鶴姫伝説 その二
義経と皆鶴姫の出逢いと別れのお話はだいたいその一のような話なのですが、その後の皆鶴姫の話がさまざまです、大きく分けて二つ。
・皆鶴姫は義経の後を追ったが、河東町の藤倉まで来たところで疲労困憊のあまりとうとう病に倒れてしまって、のちに池に身を投じて自殺。
・鬼一法眼は兵法書が姫の手で盗まれたことを知り激怒、姫を九十九里浜から、くわの木の うつわ舟に乗せ、小さな観音像と一緒に島流しにする。
20日あまり経った頃、松岩の阿弥陀ヶ鼻(気仙沼市松崎前浜)に漂着したその頃、 平泉で過ごしていた義経がある夜、皆鶴姫の夢を見る。翌日、皆鶴姫の元へ駆けつけるが亡くなっていた。その後、義経や村人の見守る中、火葬にふされた。
どちらの結末でも18才で亡くなったことになっている。